2006年08月08日

アブダクションと抽象(化)

 Koppeさん、07月28日の「演繹法と帰納法」と08月07日の「共通点の見つけ方」で帰納法のことについて言及されていますね。
 まず、複数の事例からその規則性をみつけるのが帰納法であるのにたいして一つの事例しか紐解いていないからそもそも規則性が成り立っていない。それから、その規則性を求める過程の思考法について帰納法は言及していない。まとめるとこの2点になるのではないでしょうか?

 前者に関して言えば、アブダクションという考え方(概念?)がもっとも近いように思われます。これはアメリカの哲学者パースが表明した概念で、日本語で仮説発想とも言われており、演繹法や帰納法などの整理的思考法の前段階として存在するものではないかと提唱されています。この考え方に近いのではないのでしょうか? 
 ちなみに、英語で帰納法はインダクション、演繹法はディダクションと言います。日本語だと仮説発想、帰納法、演繹法で3点セットの響きはありませんが、アブダクション、インダクション、ディダクションと英語だと3点セットの響きがありますよね。このあたりの響きの違いで、仮説発想(アブダクション)という思考法概念があまり日本に浸透してきていないのかもしれません(実際のところ海外でアブダクションという概念がどの程度普及しているかはしりませんが)。

 また、後者に関しては、「抽象(化)」がそのキーワードになるのではないかと思います。日本人が一般的に「抽象」といえば、ピカソの絵画や具体の反対という意味で代表されるように、何か意味のよく分からないものというニュアンスで使われることが多いと思われます。
しかし、本来の「抽象(化)」の意味をここでおさらいしておく必要があります。
 ちなみにgoo辞書(三省堂提供「大辞林 第二版」より)では抽象のことを次のように説明しています。

-----以下 goo辞書(三省堂提供「大辞林 第二版」より)からの引用----

ちゅうしょう ちうしやう 0 【抽象】
(名)スル
〔abstraction〕事物や表象を、ある性質・共通性・本質に着目し、それを抽(ひ)き出して把握すること。その際、他の不要な性質を排除する作用(=捨象)をも伴うので、抽象と捨象とは同一作用の二側面を形づくる。
⇔具象(ぐしよう)
⇔具体
「意味或は判断の中に現はれたる者は原経験より―せられたるその一部であつて/善の研究(幾多郎)」
→捨象

---------------引用終了--------------

 koppeさんの疑問を紐解くためには、アブダクションと「抽象(化)」の2つを紐解く必要があると思います。まずは、アブダクションは少し難しそうなので、「抽象(化)」から紐解いてみたいと思います。
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